ロールモデルの存在
ロールモデル。参考にすべき存在。自分自身「こうなりたい」「こうありたい」という存在。そんなもの。
一般的な人間ならば学校をストレートに卒業して新卒で就職をして、勤続年数やスキル、キャリアを積み上げていく。勿論、今の時代ならば途中いくつか転職はすれども、定年まで辿り着くだろう。
そして定年退職したら老齢厚生年金を貰いながら(老齢年金の額がプラスであるか否かはここでは置いておく)適度に仕事しつつ暮らすなり、再就職するなりして余生を過ごした後に人生を終える。
無論、両親の若い頃の様に右肩上がりの時代では無い、日本の経済は30年停滞しているどころか下がりつつあるから一般人ですら苦労しているのは重々承知だ。
では一般人ですら苦労しているこの時代、私の様な人間はどうすれば良いのか?
そして自己で食っていける様な才能は無い。大学を卒業後、職を転々とした後に今では生活保護と障害厚生年金によって生かされている状態が4年目を迎える。
こういった人間の人生のモデルというのは何がある?何か現状を覆すだけの何かがあるのか?
残念な事にこのままでは今のままの生活が死ぬまで続く未来しか見えない。
すべての幸せな家庭は似ている。不幸な家庭は、それぞれ異なる理由で不幸である。
この言葉はアンナ・カレーニナだったか。小説を読んだ事は無いが言葉は知っている。
私は「それぞれ異なる理由で不幸」な人間だ。
現実世界もインターネット世界にも、私の様な人間が「こうして生きればなんとかなる」という見本を見た事が無い。そして幸せな人間に似ている所が無い。
優秀な障害者の皆さん
「誰それは障害があってもこう生きている」「メディアを見ろ、お前と同じ障害を持っていても働いている人はいる」
うんざりする程聞かされたし、言われずともメディアが取り上げるから目にする事はある。
だがそれが何だ?彼らは他人や社会に認められる学歴や金になる才能を持っている。私とは天と地の差だ。元より精神障害によって健常者より生産性の低い人間がなんらかの才能によって自分の思うがまま人生を歩む事なんて想像がつかない。
何をやっても無駄なのか?
先に書いた通り何度か転職はしている。だが2社目以降は1社目で被った睡眠障害のせいで解雇され続けている。
睡眠障害の治療のため1年ほど当てて、その後再就職活動をしたがスキル不足と年齢、短期離職がたたっているのか箸にも棒にもかからない。たまに面接に呼ばれる事もあるが最終面接までいけたのは100社近く受けて3社だけだ。基本は書類落ち、良くて1次面接落ちという結果。
現在は就労移行支援に通っているが、馬鹿の一つ覚えの様に障害者雇用の求人を勧めてくるのでウンザリしている。実際に数十社受けてみたが一般就労の方が書類選考を突破する確率の方が圧倒的に高い。
正直、障害者雇用の「障害に対する配慮」なんて字面だけ。良くも悪くも色眼鏡で見られるのは分かりきっている。そんな中、最低賃金に等しい給料で周囲の目に怯えながら働けというのか?
役所の連中曰く「障害年金と組み合わせれば暮らしていける」という。ふざけるな。
「取り敢えず何かしら職に就かせよう」という魂胆が丸見えなのだ。
今後人生で何かしらイベントがあるかもしれない。そのときにそんな不確定な収入で暮らしていけるか。
参考にしたいのは自分と同じ様な人間の話
参考にしたいのは私の様な人間の話だ。断じて生きていけるだけの才覚に溢れた人間の話では無い。
自分一人で動く事すら困難な訳でも無く、自立して生きている様なご立派な存在でも無い、そんな吐き気さえ通り越した中途半端な存在が私なのだ。自分でも嫌になる。
「スティーブ・ジョブズやアルバート・アインシュタインも発達障害者だった」
などと言う人がいるが、だから何だというのか。
何の罰なのか
私が障害・異常を抱え、尚且つ才能に恵まれずに産まれてきたのは何の罰なのだろうか?
「五体満足なだけありがたく思え」
今までの人生で馬鹿どもに幾度も言われてきた言葉である。
だがあいにく私は色弱と永久歯一部欠損も持って産まれている。どちらも重度の物ではないし、別段今すぐ死ぬ様な問題でも無い。
だが脳と目の障害によって出来る仕事が制限されているのは事実だ。人生の選択肢は健常者よりも狭い事は言うまでも無い。永久歯一部欠損についてはどうやらヒトという種の進化の証らしいが、この乳歯はいつまで持つのかという四半世紀来の不安もある。
一体私が何をした?前世で余程の大罪でも犯したというのか、それとも先祖の供養が足らないとでも言うのか?仮に前世という物があったとして、それを今の私がどうできようと言うのだ。全ては私が産まれた瞬間に始まり死んだ瞬間に終わる。
もう原因の分からない障害を抱えて苦痛を受け続けるのはうんざりだ。再スタートを切ろうと動く度に「お前は要らない」とお祈りメールを叩きつけられる。自己の存在を否定されるのはもう嫌だ。
酒が飲めない体質だったら、とっくに自殺していたのではないかと思う。
私と同じ様な人がいたら、貴方が死ぬまでに何が足らないのか是非記録を残していって欲しい。